「この世界の片隅に」の傘のやり取りの意味について

2016年のシネマ旬報ベスト・テンで1位に輝いた、「この世界の片隅に」の中に傘を1本持てきたか?というワンシーンが有ります。

結婚式の夜に旦那さんから「傘を1本持てきたか?」と聞かれたら「はい、新たなのを1本持てきました。」と答えろ。「さしてもええかいの」と言われたら「どうぞ」と返せ。

このやり取りですが、夫婦の初夜の営みを合意するための合言葉のような物です。

これから一夜を一緒に過ごそうという時に、あのような言い回しでお互いの合意を取っていたようですね。

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傘のくだりは「柿の木問答」の一種

新婚初夜のやり取りについては、「柿の木問答」というモノの一種だと思われます。

柿の木問答とは、新婚初夜に

新郎が「あんたの家に柿の木はあるか」と問い、新婦が「あります」と応える、そして「オレが登って、もいでもいいか」「どうぞ」というやり取りがあります。

つまり、食べ頃の熟れた柿が新婦となる女性で、その柿は俺が取って食べちゃうよ。ってことですよね。下品な言い方ですけど。

このやり取りは、新婚初夜にお互いの意思疎通を行う儀式のようなものです。柿の木問答には、その地方で独特の定型文があるようで、傘もその一種だと思います。

たぶん、「さす=挿す」で、傘は江戸時代には男性のアレを表す言葉だったので、こういった言い回しになったのかな?と思います。

でも新しいのを持ってきたと言っているので、どちらかと言うと傘は女性のアレで、傘はさす時に開く(=足を開く)って意味の方が強いかなと思います。想像ですけどね。

「柿の木問答」は、昭和初期まで存在していた初夜の儀式

新婚初夜の柿の木問答という儀式は、昭和初期ぐらいまで存在していたそうです。

その頃は、出会ったこともない男女が、いきなり結婚するということも普通にあったそうです。

初めて会う女性に、合意を取るための風習という趣が強いのだと思います。本人達も意味もわからずに親からこう言いなさいと言われていたのでしょうね。風習ってのはそういうものなので、特別珍しい事ではないです。

柿は女性の象徴のようなもの?

昔は女性が結婚する時には柿の苗を持って嫁いだそうです。持って嫁いだ柿の苗を庭に植えて、嫁が一生を終えた時は柿の枝を落として火葬の薪や骨を拾う箸に使ったそうです。

うちの実家は農家で、庭には柿の木が3本有りました。その柿の木は嫁いできた祖先が植えたのかと思うと感慨深いですね。

柿の木は実を沢山つけることから、多産、安産の象徴なんだそうです。

柿の実を取って食う。つまり、お前を取って食う。という事です。

文字通りの意味のあるし、母親の元から自分の元に連れて行くという意味もあったんじゃないかなぁ。と思います。


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